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【表彰式の式次第】失敗しない進行ポイント&流れに沿った司会台本とは

この記事では、表彰式の式次第を考えるときに役立つ、式次第の作り方の工程とそれに伴う司会台本の事例をご紹介します。

これは、毎年多くの表彰式をプロデュースしてきたイベモンが、失敗しない表彰式をプロデュースするだけでなく、表彰式の目的達成率を高めるために使用してきたテクニックになります。

それは、5つの工程に則り進めていくだけです。

多くの方は、正しい式次第の作り方が分からずアイデア先行で企画を進めてしまい、結果として、目的達成ができない表彰式になってしまっています。
このような事態を防ぐためにも、式次第づくりのノウハウを身につけてから、表彰式を企画していきましょう。

失敗しない表彰式の式次第は、事前準備が9割

前段で述べたように、表彰式を企画される方の中で、「アイディア先行で式次第を作っている」という方が少なくありません。
表彰式を失敗させないためには、なぜそのコンテンツを実施するのかの根拠に基づいた企画・コンテンツを選定し、式次第に落とし込む必要があります。

その根拠とは、イベントのGOALに対して「この企画・コンテンツがこのようにつながる」と説明できるものになります。

このセクションでは、そのような、式次第を作るまでの5つの工程をお伝えいたします。

式次第づくりの5つの工程

まず初めに、「式次第」を作成する際に抑えなければいけないポイントを、順を追って解説いたします。

 

1. イベントのコンセプトを明確にする

コンセプトとは「誰に、どのような価値を与え、どのような状態にしたいか?」を表現したものです。

表彰式のコンセプトを考える際は、次の3点を明確にすることから始めます。

①会社、組織は今どのような状態か?
(例:離職者が増えている)
②どのような問題を抱えているか?
(例:リモートワーク制度の導入により、従業員同士の関係性が希薄になり、働く中での「楽しさ」「居心地の良さ」などが枯渇してしまっている)
③その問題を解消するためには、誰にどのような状態になってもらう必要があるか?
(例:従業員が働く中で「楽しい」「居心地が良い」と感じる状態になってもらう)

上記のように会社や組織の現状と問題を洗い出すことで、「理想の状態」と「今」のギャップを特定することができます。
それをコンセプトに落とし込むことが大切です。

 

2. イベントにおけるコンセプト実現の課題を洗い出す

コンセプトが決まったら、次に「イベントにおけるコンセプト実現の課題」を考えます。

例えば、「若手社員に企業理念の浸透をさせ、自社への誇りを感じていただき、日々の仕事で主体性を発揮する状態にしたい」というコンセプトを掲げたとします。

その場合、会社からのプレゼンテーションを通じて、企業理念を若手社員に理解・納得してもらい、若手社員を「行動意欲が高い状態」へ導く必要があります。

ここで、若手社員の特徴や過去のイベントを加味し、課題点を洗い出しましょう。

・理念を伝える前に、話を聞く姿勢をつくる必要がある
・経営陣の話を最後まで聞いてもらう必要がある
・イベント後、行動に移してもらう必要がある

上記のような点が挙げられるかと思います。
課題点を明らかにすることで初めて対策を打つことができます。

 

3. 制約条件の確認

式次第を決める際に確認しなければならない点が「制約条件」です。

制約条件には、予算、時間、人員などがあります。これらを考慮せずに式次第を決めてしまうと、修正の工数が余計にかかってしまいます。

事前にこれらの制約を明らかにしてから、イベントのコンセプトを実現する最適な方法を考えます。

 

4. 課題の解決策を考える

イベントにおける課題制約条件が明らかになったら、それに対する「具体的な解決策」を練ります。

例えば、話を聞く体制が整っていない場合、イベントの冒頭で参加者の興味を引く要素(映像等)を取り入れたり、伝えたいメッセージを明確に伝える方法(インタラクティブ要素を組み込む等)を考えます。

 

5. 式次第に落とし込む

これまでのプロセスでまとめた要素を、式次第に落とし込んでいきます。

式次第には「①参加者へ渡すもの」「②運営側で使用するもの」の2種類があります。

①は各コンテンツの名前と時間が表記されたもので、②は運営側が「手順・工程」を把握するために詳細に記したものです。
②は「プログラム」や「台本」と言い換えられることが多いです。

今回の式次第に落とし込むとは、②をつくることを示します。

 

以上5つの工程を踏まえ、表彰式の目的達成の確度を上げていきましょう。

 

▼表彰式の目的や、具体的な作り方を知りたい方はこちら▼
コラム「表彰式とは?目的と事例をプロが解説!」

表彰式とは?目的と事例をプロが解説!

 

式次第の進行を成功させる本質的な司会台本(プログラム)の役割

前のセクションでは、式次第をつくる工程を解説しました。

このセクションでは、式次第を失敗させない司会台本(プログラム)の本質的な役割を3つ押さえておきましょう。
この3つが抑えられていないと、トラブルへの対処が難しくなることに加え、企画・コンテンツの再現ができなくなる可能性が高まります。

これからご紹介する3つの本質的な役割を押さえることで、目的達成の確率を高めることが可能です。

1.進行管理ができる

司会台本(プログラム)はイベントの計画した通りの進行をサポートする役割があります。

例えば、イベントの進行が台本と比べて5分遅れている場合、時間を削減するコンテンツの決定、イベント全体のスピード感の調整を促す等の判断がしやすくなります。

2.進行の共通認識が持てる

司会台本(プログラム)は、「いつ・誰が・どのような動きをするか」を運営陣で共有する役割があります。

それにより、アクシデントが起きた際に何が問題かをすぐに把握し、対応することが可能です。
例えば、次のコンテンツに必要な椅子や机がステージ上に配置されていない場合、運営陣の誰もが不十分な状態に気付くことができ、即座に問題に対処することができます。

3.企画の再現性を高められる

司会台本(プログラム)は、各プログラムを時間通りに進めればよいのではなく、企画段階で定めた「この企画やコンテンツではこんな効果を発揮させたい」等の目的を実現する役割を担います。

「何をすべきか」だけでなく、「どのようにすべきか」までを台本に落とし込むことで、企画の再現性を高めることができます。

表彰式を成功へ導く!司会台本に記載すべき6つの情報

前のセクションで、司会台本(プログラム)の役割「進行管理ができる」「共通認識が持てる」「再現性を高められる」の3点だとお伝えしました。

このセクションでは、上記3つの要素を満たすために必要な6つの情報をご紹介します。

1.「時間」の記載

司会台本に時間の記載は欠かせません。

分単位で記載することで、進行に遅れがないか把握することができます。
記載する時間はイベント中のものだけでなく、運営スタッフの集合時間、運営スタッフのみで行うリハーサルの時間、登壇者などを交えたリハーサルの時間など、細かく記載します。
イベントにはアクシデントがつきものであるため、各時間に数分のバッファを設けたり、準備に調整時間を1時間ほど設けたりすることが多いです。

また、表彰式の進行表記時間に沿って進めることで、間延びが防げ、参加者の集中維持につなげることができます。

2.「会場情報」の記載

会場の情報を台本に入れ、運営陣で共有しておき、参加者からの質問運営陣がみな受け答えできるようにしておきましょう。

運営人全員が把握できていないと、一部の運営スタッフ多くの質問が寄せられ、1人1人への対応が遅れてしまい、結果的に参加者のストレスが溜まることにつながります。

そのため、「トイレ・喫煙所・非常口・Wi-Fiログイン情報」などは必ず台本に明記しましょう。

また、司会者からこれらをお伝えするタイミングも決めておきましょう。
タイミングの候補としては、表彰式の開始前休憩時間前などがお勧めです。

3.「登壇者の立つ位置・導線設計」の記載

登壇者の立ち位置や導線を、分かりやすく台本に落とし込んでおくことも必要です。

ステージ上の配置に関しては、上手・下手を十分に考慮して決めましょう。
導線に関しては、誰が、どのタイミングで、どの場所から進むのか等を記載しましょう。

4.「担当者」の記載

各プログラムの作業を「誰が行うのか」明記しましょう。

台本上で担当者ごとに分けて書くことで、イベント中に運営陣自身の作業を確認しやすくなります。
そうなることで、結果的にミスが減り、表彰式のコンセプト実現へつながります。

5.「きっかけの合図」の記載

企画・コンテンツの狙いを再現するためには、行動を起こす際の「タイミングを合わせること」が非常に重要です。

例えば、表彰式開始の演出で音響や照明の連携による、空間的演出でタイミングのズレが生じると、参加者に感じてほしい感動体験をさせることができなくなります。
このような連携ミスによって、演出効果を半減させてしまします。これでは、表彰式の目的達成の実現性を低くしてしまいます。

そのほかにも、パワーポイントの切り替えのタイミング司会者の発声に合わせたい場合、合図が何も無ければ阿吽の呼吸のみを頼りにしなければいけません。
その場合、切り替えのタイミング個人それぞれの判断になり、「タイミングの質」が安定しません。

このような問題発生を避けるためにも、「きっかけの合図」を台本に入れます。
事前にパワーポイント切り替えの合図(例:「以上です」などの言葉、視線を操作者へ送る etc…)を決めておき、その部分に赤字などで記しを付けておくなど、全員が間違いなく共通認識を持てるモノが良いでしょう。
このように、行動を起こす際の「きっかけの合図」を明確にしておくことで、タイミングのズレが無くなります。

6.「演出方法」の記載

台本には、「企画段階で決めたコンセプトを実現するための演出」を記載することが必要です。

演出とは、「照明や音響の度合いや、司会者の発話のタイミング等を意図的に調整すること」を指します。

例えば、「理念の浸透」を実現したい場合、よく使われるのが「代表によるスピーチ」です。
スピーチによって理念の浸透を実現させるには、「参加者が登壇者の話に集中する状態を作る」ための演出が必要となってきます。

台本に記載する例としては、

照明係:登壇者呼び込みの前に暗転、登壇と同時に登壇者にスポットライト
音響係:登壇者の登壇に合わせてBGMをフェードアウト

等が挙げられます。
こうすることで、照明や参加者の視線登壇者に集められ、スピーチに耳を傾ける環境ができ、伝えたいメッセージを届けやすくなります。

このように台本に演出内容を事細かに記載することで、コンセプトの実現性を高めることができます。

司会台本の例

前のセクションでは、「司会台本の役割を満たすためのポイント」を6つお伝えしました。

最後に、表彰式にて司会が実際に読む「台本の例」をご紹介します。
今回は表彰式において重要な「注目を集める場面」「表彰時(ピーク)の場面」「表彰の締めの場面」の3つをピックアップしてご紹介します。

台本を作成する際の参考例として、ぜひご活用ください。

「注目を集める場面」の台本例

例えば、「受賞者の発表映像を流す場面」を想定します。

この際は、参加者を表彰へ注目させたいため、「参加者の興味が湧いたり、期待感が高まるような言葉」を使うことが望ましいです。

▼台本の例
「続いてはMVP賞の発表です。MVP賞は、『今期、最も企業理念に沿った行動をした方』へ送られます。MVP受賞者は経営陣の話し合いの元、決定されました。受賞されたのはどなたでしょうか?それでは、こちらの映像をご覧ください!」

上記の例のように、参加者の注目を集めるために「賞の概要」「受賞者選定までの過程」等の情報を組み込み、誰が受賞するか気になるような文章を目指しましょう。

「表彰時(ピーク)の場面」の台本例

受賞者への賞の授与が終わった後の「受賞者からコメントをいただく場面」を例に挙げます。

ここでの目的を「非受賞者の受賞意欲を高めること」とした場合、非受賞者「受賞者の称賛される姿」に対し憧れを抱くことが重要な要素です。
そのため、受賞者が登壇している際に、称賛度合いがピークに達するよう意識する必要があります。

そこで、台本上では「称賛の度合いをピークまでもっていくための演出方法」を記載します。
例えば、受賞者の受賞コメント後参加者から祝福があるシーンでは、台本に「声を1トーン上げる」のように司会者の場の盛り上げ方を指示します。

そうすることで、受賞者への称賛を意図的に集めることができ、結果として非受賞者の憧れの気持ちを高めることができます。

「表彰の締めの場面」の台本例

最後の受賞者を発表後、司会者から結びの言葉を入れます。

例えば目的として「受賞者のモチベーションを高めたい」というものを挙げていた際は、その気持ちが高まるかつ継続することが大事になります。
できればそのような施策を入れると良いですが、ない場合は少しでも多くの賞賛の声を受賞者に届けることを促しましょう。

▼台本の例
「受賞された皆さん、おめでとうございます!ぜひこの後の歓談の際に、受賞された方々へ『祝福の言葉』を送ってください!」

上記の例のように、「受賞者を祝福する機会」を増やすアナウンスをすることで、受賞者のモチベーション高めるかつ継続するにつなげることができます。

 

【表彰式の式次第】まとめ

いかがでしたでしょうか。

表彰式の式次第に限らず、プロジェクトを進行する場合は「コンセプト」や「目的」といった核の部分が大変重要になります。
企画設計に力を入れた表彰式ほど、参加者にも組織にも良い影響を与えます。

あなたが企画した表彰式が成功することを、心より祈っております。

 

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