「イノベーション」と聞いて、皆さんは何を想像しますか。
簡単な意味としては、「企業において変革をもたらすこと」と言われています。
そのため、組織作りと密接に関係しています。
さらに、近年の大きな社会環境の変化によって企業の競争関係も激化し、新たな価値を生み出すイノベーションに注目が集まっているのです。
ただ、現在の日本企業は、『世界に比べイノベーション創出に苦戦している』と言われています。
北米とヨーロッパが世界のイノベーション環境を大きくリードしているなか、日本は国別イノベーションランキングでもトップ10圏外です。
その背景には日本ならではの課題が存在すると考えられています。
その課題を解決するためにも、イノベーション創出には、社員のエンゲージメントが非常に重要であると気付き、エンゲージメント向上に力を入れている企業は増加しています。
今回は重要とされる社員エンゲージメントとイノベーションの関係性についてご紹介します。
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イノベーションについて
冒頭でもお伝えしたように、組織作りに密接に関係しているイノベーション。その言葉を詳しく解説していきます。
イノベーションとは?
イノベーションとは「技術革新」の意味、と捉えがちですが、技術に限定せず、広い概念の用語として使われています。
物事の新しい捉え方や活用法、新たなる価値の創造や、社会的に大きな変化をもたらす人物、組織のことなども含み、幅広い意味を指します。
簡単に説明すると、”あったらいいなと思えるもの・ありそうでなかったもの”の実現となります。
経済学者のシュンペーターは、イノベーションには下記の5つのタイプがあると提唱しています。
①新しい製品開発は「プロダクション・イノベーション」
②新しい工程・製法は「プロセス・イノベーション」
③新しい販路の開拓は「マーケット・イノベーション」
④新しい供給源の獲得は「 サプライチェーン・イノベーション」
⑤新しい組織の実現が「オルガニゼーション・イノベーション」
それから2009年には、「リバース・イノベーション」という発想が、ダートマス大学のビジャイ・ゴビンダラジャン教授とクリス・トリンブル教授によって提唱されました。
これは先進国の企業が、途上国や新興国に拠点を持ち、その土地でゼロから開発した商品を先進国に流通・展開していくことです。
一言でイノベーションといっても様々な意味を含む、社会的・経済的な価値を生み出すことを意味しているといえます。
では、企業に必要なイノベーションとはどのように考えればいいのでしょうか。
企業に必要なイノベーションとは
上記は基本的な理論になります。企業においては、モノ・仕組み・サービス・組織・ビジネスモデルなどに新たな考え方・技術を取り入れ、価値を創造し、社会に大きな「変革」「革新」「刷新」をもたらすという考え方が必要になります。
そのため、製品やサービスだけでなく、組織づくりにも密接に関係してくるため、会社の在り方・従業員との関係性などにも関係してくるのです。
・イノベーション事例
イノベーションは実際どのようなことを指すのか疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際に行われているイノベーションの例を調査してみました。
・インスタントラーメン(日清食品)
→世界初のインスタントラーメンを発明し、販売。今や宇宙でも食べられる日本食のひとつへ発展。
・ペットボトル入り緑茶(伊藤園)
→日本人のお茶の習慣は急須からペットボトルへと変化。
・ポストイット(3M)
→「よくつくけれど、簡単に剥がれてしまう糊」を研究員が作り出したところから発展。
・魚群探知機(古野電機)
→勘と経験だけが頼りの漁業会が、古野兄弟の発明品で一気に近代化へ。
・内視鏡(オリンパス)
→体内の診断及び治療において、現在不可欠な医療器具。患者負担の軽減、早期発見を可能とし、予防医学の発展にもつながる。
・ウォークマン(SONY)
→音楽は家で聞くものという概念を壊し、「音楽を持ち運ぶ」というスタイルが世界に普及。
・ウォシュレット(TOTO)
→「おしりだって、洗ってほしい。」のCMで、トイレの機能もイメージを変化。
・iPhone(Apple)
→キーボードをなくし、指で画面操作をするという斬新なデバイスは爆発的に普及し、誰もがスマートフォンを持つ文化を創出。
・QRコード(デンソーウェーブ)
→スマホでも読み取り可能になっているほど普及。22年5月には長方形が開発されたとの報告も。
・JINS PC(JINS)
→眼鏡をかけない人をターゲットにした眼鏡。ブルーライトをカットするもので、目のいいひとも眼鏡を買うという新常識を普及。
・ルンバ(iRobot)
→部屋の掃除をロボットがしてくれるという、近代的な文化の発展。
・Uber(Uber)
→GPS機能を活用した配車アプリ。コロナ禍によりさらに普及が加速。
・道の駅
→「地域とともにつくる個性豊かなにぎわいの場」を基本コンセプトにしている施設。ついでではなく、目的として行く人も増加。
いかがでしょうか。皆さん納得のイノベーションなのではないでしょうか。
このような革新的な製品の登場は、人々の生活を変化させたり、質を向上したりといった、非常に大きな変化をもたらしています。
製品やサービスのイノベーションを生み出すためには、世の中のニーズをキャッチする従業員が必要です。
そのため、従業員の就労環境を考え、イノベーションを起こしやすくすることも大切になってきます。
そこで注目されるのが従業員の「エンゲージメント」になります。
ではなぜ、従業員のエンゲージメントに結び付くのでしょうか。
エンゲージメントについて
では、そもそもエンゲージメントとはどういう意味なのでしょうか。下記にて解説いたします。
エンゲージメントとは?
エンゲージメントとは、「婚約」「誓約」「約束」「契約」といった意味があり、ビジネス上では「従業員の企業に対する信頼の度合い」「深い関わり合いや関係性」を意味し、「愛着心」「愛社精神」「思い入れ」等とも表現されます。
働き方改革も注目された背景もあり、愛社精神への結びつく「帰属意識」などの醸成としてもエンゲージメントは注目されているのです。
▼エンゲージメントに関するコラムはこちら
エンゲージメントチェック
では現在、自分が所属する企業はどのぐらいのエンゲージメントがあるのでしょうか。
多方面から考えて、現状該当するかをチェックしてみましょう。
□仕事内容に満足し、職場にやりがいを感じている
□他者に推薦できる会社である
□自分と会社が同じ方向性である
□会社に期待されていると感じる
□会社に貢献できていると感じる
□よい仕事をするための時間が設けられている
□達成した仕事がきちんと評価されている
□上司・同僚・チームメンバーを信頼している
□今の環境がキャリアアップに適している
□数年後のビジョンが見える
さて、いくつチェックを入れることが出来たでしょうか。
また、従業員はいくつチェックを入れてくれると思いますか。
こういった「組織と仕事に熱意を持って、自発的に貢献しようとする意欲」を数値化・可視化をエンゲージメントスコアといいます。
▼エンゲージメントスコアに関するコラムはこちら
何故、エンゲージメントが必要なのか
先ほども簡単に解説した通り、エンゲージメントは、優秀な人材の離職を防止し、企業の業績を向上させるために必要です。
上記のチェックが多ければ多いほど、エンゲージメントが高い状態となります。
高水準のエンゲージメントが維持されれば、従業員の職場定着につながり、結果的に離職率の低下にもつながるのです。
つまり、離職率が低いと生産性・効率がよくなり、高い利益を生み出すことになり、企業の発展につながります。
企業の発展のために、従業員のエンゲージメントは必要不可欠なのです。
エンゲージメントとイノベーションの関係について
ここまで、「エンゲージメント」と「イノベーション」についてを説明してきました。
企業の発展のためには、どちらも必要不可欠であることがご理解いただけたかと思います。
イノベーションを創出するため、社員のエンゲージメントを向上させることで、働きやすい環境を整え、会社・組織への貢献を促し、新たな技術・サービスを生み出せるのです。
両者の関係が非常に重要であると気付き、エンゲージメントを向上させる取り組みをいち早く行動している企業は、イノベーションを起こし、持続的な企業の発展に寄与していることかと思います。
では、実際に創出するためにどのような施策を行えばいいのでしょうか。
イノベーションを創出するための施策を考えてみましょう。
・組織の在り方の見直し・・・イノベーション推進のための意識改革および組織体制・運営の促進、環境整備
・人材・技術の流動化促進・・・研究人材の流動性、資金の流動性の向上
→日本の勤続年数は諸外国と比較し長い傾向があり、人材の流動性が低い。
→日本企業における外国労働者の割合は諸外国と比較し低い傾向がある。
→米国と比較し突出した人材に対する成果の評価・報酬が少ない傾向。
既存事業はやがて衰退していきます。
イノベーションを起こせるような新規事業のためにも、長期的な視野による実践を行いましょう。
組織の在り方の見直しは、最も取り組みやすい分野かと思います。
中でも社員総会を見直してはいかがでしょうか。
毎年同じ内容で、意味のないものになってはいませんか?
社員一同を集め、企業の方針発表や、従業員のリアルな声を集められる社内イベントはとても重要です。
クオリティの高い社内イベントを行うことで、社員は「自分たちが大切にされている」という感覚を持ち、
会社への信頼感=エンゲージメントが向上します。
いまだ続く感染対策として、イベントを中止するのではなく、
今だからこそできるエンゲージメントスコアを上げる手段を考えてみましょう。
下記にて、エンゲージメントを高めるイベントのヒントを記載してます。一緒にご覧ください。
今回は「エンゲージメントとイノベーションの関係性」についてご紹介しました。
イノベーションを創出するためにも、社員のエンゲージメントが非常に重要であることがお分かりいただけたかと思います。
「働く」をもっと楽しく、日本をもっと元気に!をコンセプトとしているイベモンが、企業のイノベーション創出のため、イベントのお手伝いをさせていただきます。
是非お気軽にご相談ください。