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話題のバーチャル空間”VR”を社内イベントに活かせるのか?

2022年10月11日(現地時間)、アメリカのメタ社(2021年10月Facebookから社名変更)が新型VRヘッドセット「Meta Quest Pro」を正式発表しました。日本では10月25日より出荷開始され、価格は226,800円と高額なことも話題になりました。

ここ数年で「PlaystationVR」「Meta Quest」などの安価なVRデバイスも登場しており、VRは人々にとって身近な技術となってきました。同じように、「AR」「メタバース」という言葉もニュースなどで取り上げられることが増えてきています。言葉が増えると「VR」や「AR」「メタバース」の意味がよく分からない、違いがよくわからない、といった声も聞かれます。

このコラムでは、「VRとはどのようなものか」「VR・AR・メタバースの違いは?」「VRは具体的にどのように活用できるのか?」などVRを中心とした情報をご紹介します。

 

VRとは?メリットやデメリットは?

VR

ではまず、VRとはそもそも何なのか。そしてメリットやデメリットはどのようなものがあるかご紹介します。

 

VR?AR?メタバース?違いはあるのか

2021年10月に旧Facebook社が「メタ」社に社名を変更しましたが、この社名変更には「VRやARの技術を組み合わせながらメタバース関連のサービスに注力したい」という思いが込められています。

さて、ここで「VR」「AR」「メタバース」という用語が出てきました。この言葉の意味・違いをすぐに説明できる方は、まだ少ないのではないでしょうか。簡単に説明すると、VR・ARは体験のための「手段・技術」、そしてメタバースは「仮想空間」そのもの、ということになり、それぞれの意味は以下の通りです。

 

・VR(仮想現実)
VRは「Virtual Reality」の略で、「仮想現実」と訳されます。現実のような空間を作り出し、VRデバイスを利用してその空間を見たり、その中を動き回ることで没入感の高い体験が可能になります。VRデバイスを装着するゲームがイメージしやすいですが、それ以外にもコロナ禍ではバーチャル観光やマンションのVR内覧、企業研修、医療教育の現場などビジネスでも活用されています。

 

・AR(拡張現実)
目の前の現実空間の画像上にデジタル情報を表示します。例えば、スマートフォンゲーム『ポケモンGO』にあるリアルタイムで撮影している現実空間にポケモンがいるように見える「ARモード」がイメージしやすいでしょう。ビジネスでは、IKEAが実際の部屋に家具を配置したイメージを表示させるARショッピングアプリをリリースしています。

・メタバース(仮想空間)
オンライン上に3次元で構築された仮想空間を指します。自分のアバター(デジタル上の自分自身の分身)で自由に活動し、他の人のアバターと交流します。身近なところでは、NintendoSwitchの『どうぶつの森』、オンラインゲームの『Fortnite』などが有名です。ビジネスでは、メタ社の「Horizon Workrooms」というバーチャルオフィスも登場し、今後、ますます成長が期待される分野です。https://www.oculus.com/experiences/quest/2514011888645651/?locale=ja_JP

 

▼参考コラム「参加者に非日常体験を!メタバースは社内イベントに活用できる!?」

参加者に非日常体験を!メタバースは社内イベントに活用できる!?

 

VRで行うメリット

2021年4月に実施された『VRに関するアンケート調査』(株式会社リプロネクスト社実施)では、約8割の人が「コロナ禍でVRを耳にする機会が増えた」と回答しています。
この数年、なぜVRは注目度をあげているのでしょうか。それは、コロナ禍においてVRを利用するにあたり、下記のようなメリットがあるためです。

 

① 大人数が参加しても対面接触を伴わない
一番のメリットは、コロナ禍で人と人との接触が避けられるということです。感染リスクを軽減することは、コロナ禍においてイベント開催において最も重要な課題となっています。

② 遠隔地からでも参加できる
コロナ禍で在宅勤務も広がりをみせています。接触をさけるためにオンライン上でのビジネスが当たり前になってきました。全国各地、会社や自宅どこからでも参加できるのは、参加者にとっては移動の負担が軽減され、会社にとっても交通費のコスト削減といったメリットになります。

③ 社会情勢による中止の心配がない
コロナが収まってくると、イベントの開催方式に悩まれるケースが増加します。「対面でやろうとしたが、感染者が増えたため中止した。急遽オンラインに切り替えた。」という会社も多くあります。その点、オンライン上で実施するVRは、中止の心配がなく計画通り準備を進めることができます。

④ 在宅などの限られた状況で、最新技術を体験する高揚感
VRが身近になってきたとはいっても、実際に経験している方は一部です。経験したことのない方にとって最新技術に触れることは、驚き・感動・興奮といった高揚感が感じられ、忘れられない、印象深い経験になるでしょう。

 

また、同じ調査の「ビジネスで活用されるVRコンテンツについてご存知ですか?」という設問には約6割の方が「はい」と回答しています。実際触れたことのあるコンテンツとして、「バーチャル展示会」「バーチャルショップ」「バーチャル工場見学」「企業プロモーション動画」などがあげられました。
コロナ禍で人の流れが変わる中、多くの企業が感染リスクを防ぐため、新たな取り組みとしてVRを活用しています。

 

VRで行う際の注意点

一方で、VRにはデメリットも存在するため、注意が必要です。

 

①デバイスのコスト
VRで前後左右上下360度の没入感を体験するために必要になるのが、VRデバイスです。コラム冒頭で触れた20万円以上する最新の「Meta Quest Pro」や数万円の「PlaystationVR」「Oculus Quest」などが有名ですが、スマートフォンをセットして使う2,000円~3,000円程度の安価な商品もあります。安価なものといっても、人数分用意するにはそれなりのコストがかかってしまいます。

②デバイス装着の負担
また、ネックになるのが、デバイスの重さです。最新の「Meta Quest Pro」で722g、バッテリーが少ない「Meta Quest2」でも503g。この重さのデバイスを長時間装着すると、肩が凝る、眼精疲労、酔う、など個人差はあるものの身体に負担となります。デバイスを装着していると、手元のものを気軽に取れないため、メモがとれなかったり、飲物も気軽に飲めないのも小さなストレスです。

③接続環境の安定性
また、回線や使用するPCの状況で接続が不安定になる場合もあり、ネットワーク環境やデバイスのスペックは事前に十分確認する必要があります。

VR,メリット,デメリット

 

VRの社内イベントの活用


近年、コロナ禍の影響も相まって、VRは社内イベントへの活用も広がっています。
では、社内イベントのどのようなシーン・コンテンツでVRが生かせるのでしょうか。活用例を2つご紹介します。

 

VR活用例① 歓談

従来のオンラインイベントでの歓談は対面と比べ難しいと感じる方が多いようです。

オンラインでの交流では、ウェブ会議ツールのZoomを利用した「Zoom飲み会」は広く知られていますが、歓談する際は少人数のブレイクアウトルームに分かれる場合が多くなります。多くの場合は、主催者がグループ分けをするため、初対面の人や普段かかわりのない人と同じグループになることもあり、人見知りや話下手な方にとって苦痛だと感じることもあります。うまく会話を回せる人がいればよいのですが、必ずしもそうとは限りません。まともに話ができないまま、歓談が終わってしまった、という経験がある方もいるかもしれません。

一方、VRのメタバース上で交流する場合、自由に移動して話したい相手を自分で選ぶことも可能です。また、趣味・出身地など共通の話題が見つけやすい歓談テーブルを作成することで、交流のきっかけ作りにもなります。自由度の高い空間で、どなたでも気軽な気持ちで歓談を楽しむことが可能になります。

VR活用例② ゲームコンテンツ

社内イベントでの交流コンテンツとして代表的なものにゲームコンテンツがあります。

日頃の業務から離れ、固くなりすぎず、気軽に交流ができることから、従業員同士の相互理解や一体感の醸成につながります。

定番の「○×クイズ」や「4択クイズ」をVR技術を用いてメタバース上で演出することで、その場にいる臨場感を味わうことが可能です。選択肢の位置までで移動しながら360度の視界で他の参加者のアバターの動きなどを見ることも出来ます。また自由に移動・交流することで、より一体感のあるコンテンツとなり、参加者の満足感も向上するでしょう。

 

VRに向いているイベント3選

VR
具体的にどのような社内イベントがVRに向いているでしょうか。ここでは4つの社内イベントをご紹介します。

 

①表彰式

どのVRイベントにも言えることですが、会場を自由に設定することが可能です。ライブ会場のようなものや、パーティー会場のようなもの、スタイルもラグジュアリーなものからナチュラルなものまでデザイン次第でどのような雰囲気でも作り出すことが可能です。

表彰式では、非日常的な空間デザインで従業員を慰労・称賛するのがおすすめです。受賞者本人は、特別感のある演出にモチベーションを高めることが可能ですし、残念ながら受賞できなかった方も、豪華な演出に「次は自分が受賞したい」と気持ちを新たにすることができます。

②社員総会

社員総会では、VR上の仮想空間に全員集めることが可能で、Zoomなどのウェブ会議ツールに比べてその場にいる臨場感が高まります。会社の規模感を感じることもでき、より参加感を高めることができるでしょう。遠隔地にいても全社員の一体感が醸成でき、また、VRという特別感のある演出で社員の興味を惹きつけることが可能です。「社員総会がマンネリ化しているが、改めて会社の方針を浸透させたい。モチベーションやエンゲージメントを高めたい。」という会社におすすめです。

 

③入社式・内定式

入社式や内定式をVRで実施している会社もあります。一人ひとりにVRデバイスを貸し出し、全国からVRの仮想空間に集まり開催しています。学生、もしくは社会人になりたての新入社員にとって、入社式や内定式は会社を知る重要な機会です。また、同期が集まる貴重な機会でもあります。VRを導入してイベントを開催する、というだけでも興味を引きますし、実際にそれを体験できる機会というのは学生や新入社員にとって会社への期待感が高まるでしょう。VR演出で代表の挨拶も印象に残るため、企業理念の周知などにも役立ちます。内定防止やモチベーションにもつなげることも可能です。

 

④ファミリーデー

VRはファミリーデーにもおすすめです。ファミリーデーとは、従業員の家族に会社や仕事への理解を深めてもらいうイベントで、家族同士の交流も深まるため近年人気となっています。ワークライフバランス推進の一環としても、家族を尊重し、互いに理解のある働きやすい職場づくりにつながります。オンラインで開催することで家族も参加しやすく、また子供たちは最新技術のVRに興味があり参加率を高めることも可能です。会社が家族向けのイベントを最新技術を使って実施するということは家族への印象が良く、会社への関心も高まります。家族が仕事や会社に興味を持つことで、従業員のモチベーションにもつながります。

 

 

VRでなくても、オンラインでも十分効果が見込める

VRは技術の革新やデバイスの浸透によって身近な技術になってきています。IT関連企業をはじめとして社内イベントに取り入れる企業も増えてきました。
とはいえ、社内イベントで実施するには、まだまだコストや技術の面で少しハードルの高いものかもしれません。VRとまでいかなくても、VRデバイスなしで体験できるメタバースもありますので、まずはそこから始めてみるのも良いでしょう。また、従来のZoomなどのオンラインイベントであってもコンテンツを工夫することで十分な効果を発揮することが可能です。

 

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