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働き方改革の背景とは?企業と従業員のエンゲージメントが必要な理由

最近、勤務先の規定や制度などが変更になったという方は多いのではないでしょうか? 企業が人事制度を変更している理由は、「働き方改革」によるものが多いと思われます。 そもそも、なぜ働き方改革を行う必要があるのでしょうか?

日本全体が抱えている問題として、

  • 少子高齢化による労働人口の減少
  • 介護問題 ・育児、待機児童
  • メンタルヘルス

といったものがあり、これらに配慮・対応することで企業は優秀な人材を確保することが可能となります。 平易な言葉で表現すれば、個々の多様性を柔軟に受け入れ、各々が活躍できるような制度を整えることで、個人がより良い未来を描くことができ、個の集合体である企業もより高い生産性を達成していきましょう、というのが働き方改革のテーマと言えます。 今年に入って新型コロナウイルスの影響もあり、リモートワークの推進、オンライン会議システムの導入など、現場の稼働実態も変化しつつあります。

働き方改革で個人が働く環境は整備されつつありますが、企業と従業員の結びつき、「エンゲージメント」に関する課題が新たに浮き彫りとなっております。 なぜ、企業は従業員とエンゲージメントを重視するのでしょうか?

企業と従業員のエンゲージメントの重要性

企業と従業員のエンゲージメントが重要な理由は大きく3つです。

帰属意識の醸成

リモートワークが当たり前になり、会社に全く出社しない社員もいる中で、帰属意識という概念が時代遅れなのでは・・・という声も聞こえてきそうですが、依然として帰属意識は重要であると考えます。 少しだけ、自分の所属するグループが会社に対してネガティブな集団だったらと想像してみてください・・・それだけで会社に行きたくなくなったり、転職を考えたりしてしまいそうです。 企業の一員として従事することが個人にとっての誇りや満足感に繋がることで、所属する集団にポジティブな働きをしようという思考が生まれ、個人と企業の双方にwinwinな関係と言えます。

人材の定着

人材という言葉には、「人財」「人材」「人在」「人罪」という4つの意味がある、という話を聞くことがあります。 企業は、「人材」以上の人材をキープすべきと考えられます。 ところで、同じ会社に長く在籍している人材の存在価値は何でしょうか?それは、経験と人脈です。 例えば、新人がぶつかる壁を経験していることで、困っている人に手を差し伸べることができ、自分は一人で同じ壁を乗り越えることができるはずです。 業務が止まらない、フォローができる、この2点だけでも会社にとってはプラスです。 また、人脈を持っていることで、社内外においてコミュニケーションが取りやすく、円滑に業務が進むというメリットがあります。 一人前の人材に定着してもらうことは、事業継続の重要ミッションと言えます。

採用コストの低減

新卒から育てて役職者を務めるようになった社員が、ヘッドハンティングや家庭の事情などで会社を去ってしまうことは、期待される売上の損失だけでなく、新たな人材育成や同等レベルの人材を中途採用する必要があります。 企業では新卒採用と中途採用のコストを予算化していますが、中途採用コストは使わなければそのまま黒字化となります。 売上に対する経常利益は業種にもよりますが、10~20%程度ですので、使わなかった採用コストは5倍から10倍の利益と同等の価値ということになります。 採用コストを低減することは、経営にとっても重要なミッションとなります。

このように、企業が従業員とのエンゲージメントを深めたい理由は事業継続において重要であり、費用を投じてミッションを達成させる必要があります。 では、エンゲージメントを高める方法として、どのようなものが効果的でしょうか?

企業のステータスを高める

自社の安定性や発展性を社内に発信し、所属していることに対する価値を見出すという方法があります。 安定企業であれば、事業内容や社会的役割を浸透させることで、働くことに対する誇りや喜びを与えることができます。 発展企業であれば、事業拡大や上場を目指すことで、会社の礎を築くことや将来の役職等への期待感を与えられます。 従業員個人の経済面で言えば、発展企業では持株会に加入することで上場時に収入を得られますし、安定企業では住宅ローンの金利が低く抑えることができる、というメリットもあります。 ただ働いてお給料をもらうだけではなく、働くことへの付加価値も必要とされております。

経営陣と従業員の距離を近づける

経営者の考えが分からなかったり、会社の方向性や将来性が見えなかったりすると、従業員は会社に対する不安を感じます。 従業員に対する経営方針発表は従業員の不安を解消でき、経営陣と従業員が交流する機会を設けることで相互理解も深まります。 年に1度は方針発表と交流イベントを合わせて開催するのが良いのではないでしょうか。

従業員同士のコミュニケーションを深める

一緒に働きたい仲間がいる、引っ張ってくれる上司がいる、単純にこういった理由も重要ではないでしょうか。 しかしながら、働き方改革によって働き方も人材も多様化しています。 フレックス制度によって同じ部署でも一緒に働く時間が短かったり、リモートワークによって空間共有も無かったりと、コミュニケーションは以前よりも減少傾向にあります。 具体的なコミュニケーション活性化の方法として、フットサルやテニスなど社内サークル活動に予算を設けて交流を促進したり、リモートワークや他の営業拠点の人とも楽しめるようなeスポーツ大会を企画するなど、様々な方法が考えられます。

大きく3つの方法を取り上げましたが、エンゲージメントを高めるのに大事なことは、「従業員に喜びを提供する」ということです。

 

従業員を「おもてなし」

今回は、従業員と企業のエンゲージメントの重要性についてご紹介させていただきました。 転職するのが当たり前の時代となった今、改めて会社と従業員の関係を見つめなおしてはいかがでしょうか。 会社は働いてくれる人がいるから成り立っている、という考えのもと、日頃お世話になっている従業員をおもてなししてみませんか?