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人材採用における「カルチャーフィット」と「スキルフィット」

「カルチャーフィット」と「スキルフィット」。企業の採用担当をされている方は一度は目にしたことがある言葉ではないでしょうか。
簡単に説明すると、
カルチャーフィット:企業文化への適合性
スキルフィット:能力の適合

つまり、会社の風土や文化になじみやすい人材なのか、能力や資格などのスキルを備えている人材なのか、採用の指標としてこの2つを重視ししている企業もあります。
さて、カルチャーフィットとスキルフィット、どちらを重視するのが良いのでしょうか?

1.目に見える採用コスト・目に見えない離職損失

一般的に、新卒はカルチャーフィット、中途採用はスキルフィットと言われます
どちらの人を重視するかは、企業によって変わるはずですが、この選択に働き方の多様化が関わってくると考えられます。

例えば、業務の大半をリモートワークにしている企業であれば、作業効率の良い人を優先し、理念やビジョンを大切にしている企業であれば、企業との親和性の高い人を優先する、企業のありたい姿によって求める人材も変わってきます。

ここまでは、企業が選択する側に立った場合の話で、企業は選択される側であることも忘れてはいけません。

企業は採用にあたり、広告費、説明会や入社式などの会場費、人材紹介会社への手数料、人事部の人件費、といった採用コストがかかります。
中途採用した社員が3か月で退職してしまうと、200万円弱の採用コストが無駄になってしまいます。
もっとも、採用コストについては予算化されており、目に見えるコストと言えます。

一方、従業員が離職する場合のコストはどうでしょうか?
離職により企業が負担するコストは考えられませんが、離職による損失は考慮する必要があります。
例えば、一人前となった社員が離職することにより、未来に渡ってその社員が遂行できた業務が脱落することとなり、売上減少、もしくは業務のしわ寄せによる生産性の低下が起きてしまいます。
離職による損失は目に見えるものではなく、利益損失の他、さらなる人材流出によって負の連鎖を招く恐れがあります。

企業は採用に力を入れるだけでなく人材を定着させるために、従業員のコミュニケーションを深め、企業理念やビジョンの浸透を図る必要があります。

2.カルチャーフィットを重視するもう一つの理由

採用において、カルチャーフィットは選択の一つでありますが、人材定着においてもカルチャーフィットは重要な要因となることが分かります。
人材定着を考慮して、採用時からカルチャーフィット採用に舵を切る企業も多いのではないでしょうか?

企業理念の浸透や社内風土の醸成は、企業にとって重要なテーマです。
カルチャーフィット採用と並行して、定期的な研修会や記念パーティーなどを開催し、社内コミュニケーションの促進を図ってみてはいかがでしょうか?